大英博物館36号室イスラム美術より From Islamic Gallery,British Museum

大英博物館の北玄関そばに、目立たないけれど、美しい物がいっぱいのイスラム美術の部屋があります。私はこの部屋が大好きでよく立ち寄ります。その内の数品をご紹介。
上の写真の白い皿は10世紀あたりに作られた磁器で、中国の白磁の影響を受けています。中央アジアかイランで作られたらしいが、この部屋の展示品でも一番好きなものです。このコーランから取られた字体の美しいこと!真ん中の点が宇宙の中心のようでもあり、一気に書き上げた書の力強さが感じられて、そして、字の伸びているのがリズミカルで動きがあって、魅かれます。

このコーランはスペインか北アフリカで、11世紀に作られたもの。インクで羊皮紙に書かれています。イスラム教は偶像崇拝しないので、デザインも幾何学的なものや、上の皿のようにコーランの言葉をデザインとすることが多いのだが、この制約の中で、洗練の極みまでゆきます。字そのものが装飾のよう。

沢山のタイルがモスクや宮殿を装飾する為作られた。白地に青の模様が多い。この様々なパッチ・ワークのようなタイルも見ていて楽しいですね。


14世紀、エジプトのガラスのランタンは、モスクの為。これに水と油を入れて、浮かぶ芯を入れて灯をともすのです。無色の吹きガラスにエナメルで模様を描き、再度焼き付けるので高い技術が必要で、色は青はラピスラズリ、赤は鉄酸化物、白は錫酸化物で出したそう。この、曇ったようなガラスの色、アラベスク模様、そしてこの形も、見ていて異国情緒たっぷり。

これは、15世紀のスペインで出来た皿。ラスター・ウエアという光った釉薬がかかっています。スペインは711年にガリシア地方を除いてイスラム化され、最終的に全国がキリスト教に戻ったのが1492年です。有名なアルハンブラ宮殿もイスラム全盛時代のものです。この皿は、キリスト教化したスペインに残った工人が作ったもので、幾何学模様ですが、真ん中の字はアラビア語ではないのが、ヨーロッパ的です。
この部屋には他にも金属製品やミニチュア画なども展示してあります。小さい部屋ながら、歴史を追いながら美しいものをたっぷり見て楽しめます。
