
巡洋艦HMベルファースト号の甲板より見たロンドン塔(昨年11月撮影)
「ロンドン塔」というと、イメージとしては、何やら恐ろしい所として世界中で知られています.勿論そういう一部分もありますが、実は英国の歴史のぎっしりと詰まった、大変おもしろい所なので、少しずつご紹介いたします。
まず建てられたのは、1066年にフランスのノルマンデイー公ウイリアムが英国サクソン族の王ハロルドを破り、自分の力を見せる為、防御のためと建てたのが、この写真のホワイト・タワーです。実際に白くはないですが、建物のボーダーを故郷からはるばる運んできた、白いカーン石で飾り、昔は石灰を塗ってあったので、そう呼ばれています。

バイユー・タペストリー 部分 (1066年から12年かけてマチルダ妃が作ったと伝えられる。50cm巾、長さ70mもの麻地に毛糸の刺繍の大絵巻である。フランス、バイユー市Bayeuxにて見ることができます。)
このウイリアム王のイングランド征服の話は、「バイユーのタピストリー」という刺繍の絵巻物で有名です。彼はフランスではギョームと呼ばれています。

さてその後、敷地を拡張し、建物も増やし、城壁で囲み、テームズ川と三方を堀で固め、難攻不落の王宮と要塞を兼ねた城になってゆきます。そればかりではなく、中世には、ここは宝物を管理する宝物殿、兵器、武器倉庫、公式文書庫に銀貨金貨の造幣局、驚くことには動物園もあり、象などもいたそうです。1600年代には世界最初の鎧かぶとの博物館もでき、そして最も有名なのが囚人を収容する牢獄もあったということでしょう。
しかし、動物園、博物館があるということは観光客が来る・・・ということですから、昔から観光地でもあったようです。動物園はリージェント・パークに19世紀移動、博物館は10年位前にリーズ市に移転しましたが、現在も人気のある観光地で、お目当ては宝物殿であふれるばかりの宝石を見てため息をつく事でしょう。世界最大のカット・ダイヤモンド(530カラット)も見れます。
ロンドン塔には常にカラスがいますが、言い伝えによると「カラスがいなくなればロンドン塔は倒れ、王国も没落する」そうなので、羽を切って最低6羽飼っています。
今は王族が住むという事はありませんが、現在も英国王室の城のひとつで、衛兵も滞在していますし、ヨーマン・ウオーダーと呼ばれる退役軍人家族も住んでおり、約150人位の村のように共同体を作っています。洗濯物がひらめいていたりする時もあり、ほほえましいです。
ということで、今日はロンドン塔のおおまかなご案内でした。
