

The Painter's Mother 1871, Musee d'Orsay, Paris
ウイッスラーは1834年に生まれ、1903年に亡くなったアメリカ人の画家。この絵は彼の母親像ですが、清教徒らしく禁欲的な黒のドレス。ウイッスラーは彼女とは反対で、本能的な美を追及する思想なのですが、なぜかこの絵は白と黒という清教徒的な色で描かれている。しかし、それが美なのです。19世紀に、こんなシンプルな色使いは、返って挑発的です。この黒の使い方、特にドレスが真っ黒に見えて細部がまったく見えない点など、まるで浮世絵的、版画的なアプローチで、油絵なのに平面的に描いています。好きという訳でもないのですが、なぜか忘れられない絵です。題が「灰色と黒の構成」ですから、お母さんは題材になっただけのようです。
そこで、私が先週行った北ウエールズで、ボートに乗っていたら、たまたま横向きの女性の姿がこの絵を思い出させて写真にとりました。この場合はグレーの空と海に、茶色の髪の女性がウイッスラーの絵を彷彿とさせた次第です。
