« とっくに過ぎたバレンタイン・デー | メイン | テームズ川にそって    Southwark »

ある兄弟のはなし "Complete Surrender"

この話は1ヶ月前に、新聞で読んだものです。

%E5%85%84%E5%BC%9F.jpg
Guardian  Jan 17 2007より Ian and David

始まりは、第2次世界大戦中に遡りますが、ローズさんという女性は夫が戦地へ赴いてる間に恋に陥り、子供を身ごもります。しかし、夫に見つかっては困りますので、彼が戻る前に里子に出そうと、地域新聞に「求む、生後1ヶ月の男の子の家。決して後あと、会いに行ったり、親権を求めたりしません。(complete surrender)」という広告を出します。彼をもらい受けた人の苗字はシャープさんで、レデイングという駅で渡されました。

ところが、ローズさんの夫はノルマンデー上陸作戦中、命を落とし、その結果、彼女は、この男の子の父親でもある恋人、陸軍士官のマッッキュアン氏と結婚しました。6年後に次男が生まれ、イアンと名ずけられました。長男は、約束どおり、この夫婦の子供であるのも拘わらず、シャープ家の子として育ったのです。彼の名前はデービッドといいますが、育ての母が亡くなった後、身内から自分が里子であることを聞かされ驚きます。しかし、彼は真相を探求するのを急がないで、60才になるまで待ち、救世軍の家族調査サービスに頼んで調べてもらいました。そして兄弟は出会います。

さて、弟のイアン・マッキュアンは、"Atonement", "Enduring Love" 等書き、CBEという勲章をもらう程の有名な小説家となり、兄のデービッド・シャープは工事現場で働くレンガ積み職人になっていました。ふたりの出会いは嬉しかったもので、イアンにとっては、自分に兄がいるとは想像もしていなかったので、「大きな驚き、大きな喜び」と述べています。又、お兄さんの方は、「私は弟の名前は聞いたこともなかったが、今では彼の小説は全部読んだ。でも、彼が道路清掃人でも、小説家でも、何の関係もないんですよ。とにかく彼は私の弟なのですから。」と書いてます。同じ両親の許に生まれても、こんなに違う人生を送った兄弟。弟はオックスフォード近郊の高級住宅街に住み、私立校からオックスフォード大学へ進み、有名な小説家になり、兄は南東イングランドを転々として、出合った時は、ウオリングフォードという、労働者の多く住む町に住んでいました。このふたつの町はたったの24kmしか離れていませんが、20年もの間こんなに近くにいたのです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blue-badge.net/page_parts/mt-tb.cgi/9

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年02月20日 15:44に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「とっくに過ぎたバレンタイン・デー」です。

次の投稿は「テームズ川にそって    Southwark」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35